Flower Life Stylist

Research materials 調査研究資料

花き(鑑賞用の花や緑)は、私たち人間が生きてゆくうえで、心や体に大きな影響を持たらす効用があることがわかっています。
花は、私たちの日々の暮らしの彩りを添えるだけでなく心にゆとりを与え、体にも良い影響を与えてくれます。
一般社団法人フラワーライフスタイリスト協会は、この花のチカラ(効用)に注目し、健康と豊かさのために医療や福祉、地域連携といった分野で積極的な花きの活用を提案してまいります。

フラワーアレンジメント活動はストレスを軽減し、仲間を作る︕

ストレス軽減の効果

フラワーアレンジメント活動の参加者の唾液中のストレスホルモン(コルチゾール)を測定したところ、活動の前後でその値が28.2%下がることが確認されました。(図1)これは、緊張が緩和し気分がくつろぐというストレス軽減効果が⽣まれることを意味しています。また参加者へのアンケートでは「喜ばしい」「⾃信が持てる」「誇りに思う」などの項⽬でプラスの変化があったことが認められています。

社会性が向上する効果

フラワーアレンジメントはグループのレクリエーション活動として継続してゆくことで、参加者どうしが作品を通じてお互いに関⼼を持ちあい、会話を楽しむようになるなど、しだいにコミュニケーションが活発になっていきます。このことは、参加者の社会性を向上させることにつながり、不安感を抑え、意欲を⽣み出すことに効果があると考えられています。

花とかかわり、⼈と交わる。

それは楽しみの中で達成感や⾃信を⽣み出し、社会性を⾼めることであり、暮らしの質(QOL)の向上に効果を⽣むこととして期待がもたれています。

  • 右のグラフ(図2)は30歳代〜50歳代の⾝体に障害を持つ7名の被験者を対象に7年間にわたって述べ75回のフラワーアレンジメントを実施した研究活動の結果、個々⼈のコミュニケーション⼒の変化を表したものです。
  • 評価は各種作業⼒、コミュニケーション能⼒など41項⽬について1(最大の手助けが必要)~5(一人でできる)の6段階で点数化した内、社会的相互作用に関する項目を点数化したものです。

【参考⽂献】

⽩井 はる奈(佛教⼤学 保健医療技術学部作業療法学科), ⽩井 壯⼀, 広崎 真⼸, ⼤平 哲也, 望⽉ 聡, 武⼭ 直義, 松林 潤, ⼭根 寛/「地域在住の中⾼年成⼈に対するフラワーアレンジメントの介⼊効果 ⼼理⾯の変化と唾液中コルチゾール値に着⽬して」/保健医療技術学部論集(1881-3259)6号 Page11-21(2012.03)・柴⾕ 郁⼦(甲⼦園短期⼤学 家政学科)/「フラワーアレンジメント活動による⾝体障害者療護施設⼊居者の⽣活の質(QOL)の向上について」/⼈間・植物関係学会雑誌 5(2),31-37,2006-03-31・Hyunju Jo, Susan Rodiek, Eijiro Fujii, Yoshifumi Miyazaki, Bum-JinPark, and Seoung-Won Ann/REPORTS - Marketing and Economics Physiological and Psychological Response to Floral Scent/HortScience January 2013 48:82-88・Alfredo Pereira, Jr. and Maria Alice Ornellas Pereira/The Flower Workshop in Psychosocial Rehabilitation:A Pilot Study/Mental Health Nursing, 30:47–50, 2009

認知機能の回復にフラワーアレンジメント活動が効果あり!

フラワーアレンジメント活動を通して認知機能の改善を試みる研究が⾏われています。
スポンジ上の●▲■等の印に決められた順番で花材をアレンジ(特許第5201552号)していく作業を繰り返すことによって、視空間認知能⼒(注釈1)や記憶⼒の向上、注意障害が改善したケースが報告されています。

  • ※注釈(1)視空間認知能⼒とは、物体の形状や⼤きさ、位置関係を正確に把握する能⼒。
  • ※農研機構ホームページより⼀部改変 農研機構のホームページはこちら

【参考⽂献】

  1. (1)望⽉寛⼦,⼩⾕泉,牧⼭康志,⼭川百合⼦: フラワーアレンジメント作業を取り⼊れた認知リハビリテーションによって左半側空間無視症状を⻑期的に改善させた1例, ⾼次脳機能障害, Vol. 33, pp. 262-269.2013.
  2. (2)Mochizuki-Kawai H, Yamakawa Y, Mochizuki S, Anzai S, Arai M: Structured floral arrangement program for improving the visuospatial working memory in schizophrenia, Neuropsychological Rehabilitation, Vol. 20, pp. 624-636. 2010.
  3. (3)Alfredo Pereira, Jr. and Maria Alice Ornellas Pereira/The Flower Workshop in Psychosocial Rehabilitation:A Pilot Study/Mental Health Nursing, 30:47–50, 2009

緑によるストレス軽減の効果!

緑にはストレスを軽減する効果があります。パソコンの⼊⼒作業によるストレスが、植物のある部屋とない部屋でどう変わるのかを⾏った実験があります。
パソコンのデータ⼊⼒…楽しい作業ではありませんね…
ただし!植物のある部屋では、⽣理的・⼼理的にストレスが軽減されることが確認されました。
そして、イライラの原因である、怒りや敵意、緊張・不安や混乱などの⼼理状態も、緑の⼒で軽減されることもわかりました。また、植物のある室内では、⼼理的な活気を感じていたのです。さらに別の実験では、同じ室内でも⼩型植物を卓上に置くことはストレスの軽減に効果があることもわかりました。

A 植物のある部屋 B 植物のない部屋
怒り・敵意 3.4%減少↓ 0.3%上昇↑
活気 3.2%上昇↑ 0.6%減少↓
緊張・不安、疲労 どちらも減少したがAのほうが減少率が大きい
A 植物のある部屋 B 植物のない部屋

怒り・敵意

3.4%減少↓

怒り・敵意

0.3%上昇↑

活気

3.2%上昇↑

活気

0.6%減少↓

緊張・不安、疲労

どちらも減少したがAのほうが減少率が大きい

<植物による”癒し効果”が検証されています。>

  • パソコン⼊⼒によるストレス負荷による気分、感情の変化について、ストレス負荷直後と30分後の⼼理指標を測定し、その増減率を表にしたものです。
  • この実験は、気分プロフィール検査(POMS短縮版)を使⽤して測定されています。
  • この検査は気分、感情に関する30項⽬の指標について0(まったくない)〜4(⾮常に多い)の5段階で評価しその時の気分、感情を数値化します。
  • この実験は、20歳代の⼤学⽣20名と40歳代の教育2名合計22名を被験者としたものです。

【参考⽂献】

沢⽥ 史⼦、⼤藪 多可志、勝部 昭明、⽊村 春彦. ⽣理および⼼理反応による観葉植物の癒し効果.
電気学会研究会資料. CHS, ケミカルセンサ研究会: 1︓21-25. 2008

植物が緊張を緩和する効果

緑には緊張を緩和する効果があります。⻭科医の診療室、聞いただけで緊張が ⾼まります。この診察室に植物を置くことで緊張感が緩和されるかどうか…︖
これを⽣理学的に検証した実験があります。

診察室に植物がない状態よりも、観葉植物や切り花、ハーブを置いた状態で RPP(注1)値が平均で最⼤1200(注2)下がりました。

  • (注1)RPP値とは⼼拍数と最⾼⾎圧をかけあわせた値で緊張している状態では⾼い値になります。
  • (注2)この値は⾎圧において40、⼼拍数において30程度の値の減少があったと考えられます。この減少は、⾼齢者が38度で⼊浴したとき、⼼負荷が軽減されて⽰す値に近いものです。

【参考⽂献】

⽔庭 千鶴⼦, 阿藤 舞, 近藤 三雄. 緑化が被験者に与える緊張感の変化 ⻭科医診療室を事例として. 東京農業⼤学農学集報,53:184-188.2008

【参考⽂献】

⽔庭 千鶴⼦, 阿藤 舞, 近藤 三雄. 緑化が被験者に与える緊張感の変化 ⻭科医診療室を事例として. 東京農業⼤学農学集報,53:184-188.2008

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