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29年度国産花きイノベーション推進事業

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文献調査

アクティビティケアプログラムを導入する上での教示法を解説いたします。

■参加者の人数
参加者の容態にもよるが、アクティビティケアのプログラムとして適正に運営する上で、以下の観点で1グループの適正人数を調整する必要がある。
・会場のスペース
・参加者とスタッフのコミュニケーション
・ならびに参加者どうしのコミュニケーション効果
・スタッフが教示のために移動する効率
  1グループあたりの人数が多くなれば、参加者どうしのコミュニケーションは粗となり、逆に少ない場合は密となる。今回の臨床実証では、会場スペースの観点で1グループあたりの人数を原則6名(回によっては5名)としたが、参加者どうしのコミュニケーションという観点においても、運営ロットとして適正であったと判断する。
参加者の人数がさらに増加する場合は、参加者を2つのグループに分ける等の対応が望まれる。

■教示スタッフの人数
今回の臨床実証は、教示スタッフ2名(正副各1名ずつ)で行ったが、参加者とのコミュニケーション効果ならびに教示の効率の視点で1グループあたり運営体制としては、ほぼ適正であったと判断する。
参加者が増えてグループを分割する場合は、そのグループに応じ場合教示スタッフの人数は増やす必要がある。
なお、参加者総数が増えなくても認知症等の容体が重い(介助負荷が高い)参加者の比率が高い場合も、教示スタッフの増員は必要となる。

■教示方法
a) プログラムの進行手順と時間配分
プログラムは以下のア)~ク)の進行が適する。所要時間は各項目で概ね3~5分程度を目安とし、プログラム開始から参加者の退去まで、最長でも1時間以内で完了するよう進行させる。
ア)教示スタッフの自己紹介と参加者自己紹介
イ)時候の話題と当日のプログラムのテーマ
ウ)当日の花材の紹介と制作手順の説明
エ)グリーン(葉モノ)を挿す
オ)主の花材を挿す
カ)副の花材を挿す
キ)添えの花材(または葉モノ)を挿す
ク)教示スタッフによる講評

b) 教示スタッフの役割分担
 今回の臨床実証では、教示スタッフは6名1グループの参加者に対し正(以下ヘッドと称す)、副(以下アシスタントと称す)各1名を配したが、ヘッドならびにアシスタントは以下のような役割分担により  運営を行った。
・ヘッドの主たる役割は、グループ全体のプログラム進行やコミュニケーションを統制する全体対応にある。
・アシスタントの役割は、参加者の個々人の状況を把握し必要な介入(個別対応)を行う。

c) プログラムの構築
今回のプログラムは、ラウンド型2タイプ、ガーデン型1タイプそれぞれハサミを使用した回と使用しない回にわけて検証した。ハサミ使用の効果は前述(p36)したように、作業としての満足度と達成感を得る上で有効であると判断するが、事前に身体状況を判断して決めるべきである。
ここでは、作品の形状に応じた教示法の特徴を述べる。

【ラウンド型】
ラウンド型はドーム状のフラワーアレンジメントである。実用場面としては、食卓の中央等におき四方から観賞するため「四方見」と称し、どの角度から見ても均一なドーム型に仕上げるのが特徴である。

《作業特性》
・花材の長さは原則同一とし、吸水スポンジ状の決められた位置に花を挿す定型的な制作である。
・単純化された作業のため制作者個々人の創意、意匠は反映しずらい反面、手順どうりに作業すればきれいな作品にしあげることができる。
 《評価基準》
・評価の基準は、自己評価、他者評価共に“見本どうりにきれいなドーム型に仕上げられているか否か”つまり作業の正確性に基づくものであり、制作者のセンスや意匠性などの情緒性な能力的な比較には及ばない。
・均一に花材で空間を埋められているか。
 《教示の要点の例》
・見本のようなドーム型の再現性。
・花材の位置、向きの正確性。
・花材の位置、高低などのバランスが取れていない場合、制作者が気にしている場合は手直しを教示するが、それを個性として評価する。

【ガーデン型】
ガーデン型
《作業特性》 ・花材は使用目的に応じてカットする長さを変える。吸水スポンジに挿す位置は、主要花材は指定するが制作者の裁量余地を残す。
・ラウンド型に比べ、制作者の意匠性を反映しやすい。
  《評価基準》
・ガーデン型の評価基準は、ラウンド型に比べて主観的な要素が強いため制作者のセンス、意匠力などの能力的評価に及びやすい。
・自己評価の基準は、制作者が思い描いたイメージの再現性が中心となる。
・他者評価の基準は、作品が他者にあたえる客観的な印象、意匠性である。  
《教示の要点の例》
・対象者に風景や庭などの作品モチーフをイメージ想起させる。
・主要花材の位置は予め給水スポンジ上に印をつけているが、自分の裁量で制作を希望する場合は印どうりでなくても良い。
・制作者が作業を迷っている場合は介入するが、基本的に制作者の創意で作業を進める。
・完成後は、制作者の制作意図を聞き出しほめる。

プログラム構築は、上記のように作品の形状によって大きく異なる作業特性や評価基準を、目的に応じて使い分け(組み合わせる)、それぞれの教示法が異なります。 導入時、参加者の能力が十分に把握できていない段階では、ラウンド型を使い教具、教材に慣れさせるとともに、対象者の能力を観察しその後のプログラム構築の判断材料とすることを推奨いたします。

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