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29年度国産花きイノベーション推進事業

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花のチカラ、緑のチカラ

平成28年度 臨床実証

■臨床実証1
【概要】

認知症高齢者10名程度を2つのグループ(被検者群、比較対象群)に分け、各グループに8回(週2回×4週間)程度のフラワーアレンジメント活動の臨床実証を行う。
被検者群、比較対象群ともに2週間に1回程度作業療法士の臨床により科学的な評価を行う。ワーアレンジメント実施期間後4週間(非実施期間)も同様の評価を行い実施期間中との比較を行う。
比較対象群は実施期間、非実施期間の順番を入れ替えて実施する。

【目的】
①認知症の程度によって異なるプログラムの提案
②認知機能、抑うつ気分への改善効果の検討

【実施内容】 
①事前説明・認知機能検査:2018年8月
②実施日時
第1期介入 2017年9月25日~10月19日  (約4週間)
第2期介入 2017年10月30日~11月24日 (約4週間) 
③場所:東京都内の高齢者施設
④介入の内容

1)基本的なデザインから取り組みを開始し、徐々に難しいデザインを行なう
2日/1週間 (2日×4週:合計8日参加)、1日に同じデザインを2回作成する。1回目は講師の教示に従って作成し、2回目は手順書を頼りに独自に作成する。
参加者は、手順書に記載されている切り花を順番どおり正確に配置することを求めた。
全ての切り花が指定された位置に配置され、順番も9割以上正確であった場合に発展型のデザインへと進む。(M→L→W)

2)材料とデザイン例
・視力の弱い高齢者で印を確認しやすいようキナリ色の吸水性フォームに青や黒、緑、赤の印をつけ花を挿す位置の目印とした。着色はアクリル絵の具を使用した。
・赤い印は見やすいが、赤い花を挿す行動を誘導しがちなために最低限の使用にとどめた。

【結果】
以下のようにMMSE(注1)得点別の傾向より今後の導入指針を得た。
・0-9点:8回の介入でMが実施できるようになることが目標。
・10-15点:Mは5~6回の介入で実施できるようになる、Lが実施できるようになることが目標。
・16-23点:M、Lともに2~3回の練習で実施可能となる、Wができるかどうかは記憶力や集中力のほか、これまでの生花等の経験が影響する。
・24点以上:Mは初回から良好、Lも1~2回の練習で基準に達する。Wの実施に時間を要することもあるが、8回の介入でほぼできるようになる。
(注1) MMSE : Mini Mental State Examination の略。認知機能検査のひとつで24点未満は認知症の疑いがある。


■臨床実証2
【概要】

茨城県内の高齢者施設において実施した認知症高齢者を対象とする個別臨床実証。

【目的】

認知症高齢者に対して生花やプリザ―ブドフラワーなどを用いたフラワーアレンジメントプログラムを施行することで、平成28年の臨床実証研究に用いた評価にさらに視空間認知や表情の変化などを追加して花材の違いによる認知機能、うつ状態やQOLへの効果を検討すること。

【対象】
認知症と診断され、高齢者施設に入所している高齢者24名。年齢は77~100歳、診断名はアルツハイマー型認知症16例、脳血管型認知症8名

【実施内容】

①日程  2月1日(木)、2日(金)、6日(火)、7日(水)
②場所  茨城県水戸市内特別養護老人ホーム
⑤実施内容
5種類程度の花を用意し、対象者に好きな花を3本選んでもらう。受け皿にセットしあらかじめ葉物を挿した赤い印をつけた吸水スポンジ(Sサイズ)に好きな場所に好きな花を挿してもらう。細かい葉物を挿して完了する。

【結果と考察の要旨】
全体をみると、QOL(EuroQOL)にほとんど変化はなかったが、表情によるフェーススケールでは生花とプリザーブドフラワーの両群あわせると、フラワーアレンジメント前後では4分の3がより高い値を示し、プログラムに関しての満足感が得られたことが示唆された。今後は統計的解析により、花材の違いによる認知機能、気分やQOLの詳細な比較検討を進める予定である。

■臨床実証3
【実施日】

2月23日・27日、3月2日・8日・12日・16日   計6日間。

【実施場所】
東京都足立区 サービス付き高齢者住宅

【対象】
上記高齢者住を利用している6名の 高齢者を任意に選出した。(認知症高齢者を含む)

【目的】
レクリエーションとして、教具、教材、教示をより効果的にすること。

【内容】
アレンジメントの形態(ラウンド2種、ガーデンスタイルⅠ種)、使用する資材(給水スポンジ、器他)、ハサミ使用作業の有無により6パターンの実証を行い、参加者の満足度、教具・教材の評価、等の比較検討を行った。

 【結果と考察の要旨】
①.アクティビティケアはグループ活動によるレクリエーションとして運営し、達成感、満足感を重視する。
②.プログラムの運営は、単発開催も可能であるが、自己効力感(自分できる、というポジティブな気持ち)を生み出すために、継続的なプログラム開催を推奨する。
③.継続的な運営により参加者同士の仲間意識や協働性が芽生え、参加者のの社会性の向上に期待がもてる。
④.プログラムはあくまでも参加者の身体の状態に応じ設計すべきだが、個々人ごとのプログラム設定は現実的ではないことを踏まえ、ラウンド型(定型的な制作)からスタートし、作業の裁量幅を増やしてゆくことが望ましい。ただしその場合も、課題が高すぎると不安や混乱が優勢となり、逆に低すぎると物足りなさ、幼稚さが顕在化するので、同じメニューでも、「自由に挿してください」「見本を参考に挿してください」という個人ごとの教示の段階付けが必要となる。
⑤.そのために、早い段階で対象者を知ることが重要。
⑥.花材は、茎の固さ、花の付き方など挿しやすさを十分考慮するが、花にふれる喜びを満たすうえで季節感は重要な要素となる。可能であれば花の香を楽しめる花材が望ましい。
⑦.参加者の充実感を増幅させるために、レクリエーション目的では花材はメニューにかかわらず、原則として主花材、副花材、添え花材の3種類の使用を推奨する。
⑧.器は参加者にとって作品の一部であり満足度に大きく影響する。同時に、保水性(十分な水量、こぼれにくい)、持ちやすさ(制作時、移動時)を考慮する必要がある。
⑨.花材を挿す位置を示すためにスポンジに着色で印をつけることは、制作する上での安心感、ストレス軽減に大きな効果がある。
(※認知症が進んだ参加者が「これがあるから自分でもできる」という声があった)
⑩.花材の切る長さを示す、カッティングシートは、8同様に参加者の補助機能として認知症の有無によらず評価が高い。
⑪.上記⑨、⑩はあくまでも制作上の補助機能であり強要するものではない。参加者の主体性に配慮し活用することが求められる。
⑫.認知症高齢者を対象とする場合、その先入観にとらわれるべきではない。対象者への接し方は、認知症の有無(軽重)がすべてを支配するものではなく、あくまでも個々人の性格、その日の気分、状態に応じて、対象者の尊厳、自尊心を損なわぬよう接し方をコントロールすることが求められる。(ただし、異食、暴言などの異常行動がある場合は、その情報を事前に把握すること。)

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